がん転移は「逃げる」ため 活性酸素から、新治療法も
がんの転移が起こるのは、がんに有害な物質である「活性酸素種」から逃げるためであることが分かったとの研究結果を、京都大などのグループが21日付の国際学術誌に発表した。転移の仕組みを明らかにすることで、新たな治療法の開発につながると期待できるという。
活性酸素種は複数ある活性酸素の総称で、代表的なものに過酸化水素がある。DNAなどにダメージを与え、免疫細胞が病原体を攻撃する際にも使われる。グループは今回、がん細胞特有の分子に結合する抗体を利用し、過酸化水素があると光る物質を開発。がんの中での過酸化水素の様子を調べた。
ヒトのがんを埋め込んだマウスで実験したところ、過酸化水素が高い濃度になっている領域を発見。この領域では、がん細胞が元のがん組織から離れて転移が始まる「出芽」が活発に起き、がんが過酸化水素から逃れていることが分かった。
さらにグループは、乳がんや胃がんなどを発症したマウスに対し、活性酸素を除去する抗酸化剤を投与。その結果、多くのがんで転移する量が6~7割ほど減った。出芽が抑えられたためとみられる。
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