「サブスク」ジャンル広がり便利に【ほっとライン】

熊本日日新聞 | 2023年3月4日 11:40

 一定の金額を払ってサービスを利用する「サブスクリプション(サブスク)」が人気だ。音楽配信「スポティファイ」や動画配信「ネットフリックス」に代表されるが、コーヒーや食材、家電に車と、さまざまなジャンルに広がる。記者が気になったサービスを紹介する。(豊田宏美、志賀茉里耶、坂本尚志)

ボリューム満点のエイハブ・チキン・ブラザーズの「プレミアム塩唐揚げ弁当」。月額5500円で月9回以上食べると元が取れる

 【唐揚げ弁当】月5500円 毎日食べられ満腹に

 新型コロナウイルス禍以降、テイクアウトの専門店が増えたが、好物の唐揚げをお得に食べられるとのうわさを聞きつけ、熊本市東区保田窪本町の唐揚げ専門店「エイハブ・チキン・ブラザーズ」を訪ねてみた。同店は2年前から月額5500円で「プレミアム塩唐揚げ弁当」を毎日一つ食べられるサービスを始めた。

 1個680円で、月9回以上食べると元が取れる計算だ。上野勝博代表(52)は「当時、サブスクがはやり始め、時流の波に乗って始めました。多い時は月5~6人が利用している」と話してくれた。

 沖縄の塩を使った唐揚げ四つと県産米250グラムが入り、ボリューム満点。カラッと揚がった衣に、飽きのこない塩味でご飯が進む。キャベツやスパゲティ、漬物が付き、成人男性でも満腹となること間違いなし。

 会社員の田村一海さん(39)=中央区=は2年間、ほぼ毎日利用しているという。「いつも仕事帰りに寄っています。独身なのでご飯を作るのも大変ですし、家計も助かってます」

 特典として、常連にはプレミアム塩唐揚げ弁当以外のメニュー(680円以内)も提供している。取材した日は健康診断前ということで、カレーとサラダをオーダーしていた田村さん。「何を食べてもおいしいですよ」と笑顔で帰路に就いた。午前10時45分~午後8時15分。日曜定休。

浴場内は隅々まで掃除が行き届いていて気持ちがいい。壁には寄付者の名前を記した板が並ぶ=小国町北里

 【温泉】寄付金6000円 1年間入り放題

 小国町北里地区にある「奴留湯[ぬるゆ]温泉」。昔から地区の人たちに愛されてきた共同浴場だが、ここでは30年以上も前から“定額サービス”を提供してきた。地区外の人も寄付金6千円を払えば、1年間入り放題となる。1990年に浴場を建て替えた時に始め、年間10~30の個人・団体が利用している。

 江戸末期の1842年、北里川沿いにお湯が湧いているのを近くの人が見つけ、簡単な小屋を建てたのが始まり。先祖が温泉を発見した後藤且也[かつや]さん(84)は「産湯もここだった。子どもの頃は男湯と女湯が仕切りの下でつながっていて、潜って行き来してましたね」と懐かしむ。

 硫黄泉で、その名の通り38度とぬるめのお湯。地元24世帯でつくる温泉委員会が管理しており、浴室や脱衣所は掃除が行き届いていて気持ちがいい。

 湯舟に漬かって壁を見上げると、寄付者の名前を記した芳名板が並ぶ。地元高校の校長先生や徳島県の人の名前もあり、「旅行でたまたま訪れた県外の人が気に入り、寄付していくことも」と隣に住む古賀尚年さん(68)。温泉好きにはたまらないが、入浴時間(午前8時~午後9時)などマナー厳守で楽しみたい。

サブスクサービス「クトゥーン」では、子どもの成長に合わせてサイズの合った靴を借りることができる(SlowFast提供)

 【子ども靴】月1回交換 洗わず返却OK

 Slow Fast(東京)が運営する「Kutoon(クトゥーン)」は、子どもの足の成長に合わせて、定額で月に1回靴を交換しながら借りられるサービスだ。

 料金は月に1足で2480円や2足で2980円など。サイズは12~19センチで、アディダスやナイキなど10社以上のメーカーの約2500足の中から好きな靴を選ぶことができる。サイトで選ぶと宅配されてくる仕組みで、全国どこでも利用できる。2021年にサービスを始め、約800人が利用したという。

 子どもの成長は早い。足が大きくなる度に買い替える金銭的負担や店舗で選ぶ手間、サイズの合っていない靴をはかせてしまうことなど、「親たちはさまざまなストレスを抱えている。少しでも解消に役立てば」と谷口昌優代表はサービスの狙いについて話す。

 ブーツやレインシューズなど季節ものもそろえており、必要な期間だけ借りられることや、洗わず返却できることなど、子育て世帯のメリットは大きい。「サブスクを利用して、子どもの成長をより楽しんでほしい」と谷口代表。

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