肥薩線復旧、駅数や位置「被災前と変更も」 八代-人吉間 JR九州社長、年度内の最終合意に盛り込む考え

JR九州の古宮洋二社長は23日、2020年7月豪雨で被災して運休している肥薩線の八代-人吉間(51・8キロ)が復旧した場合、「駅の位置や数が変わる可能性はある」との見方を示した。駅の減少や集約を示唆する内容で、3月末までに熊本県と交わす最終合意に盛り込む考えだ。
肥薩線は八代─隼人(鹿児島県霧島市)の全線124・2キロのうち、八代─吉松(鹿児島県湧水町)間の86・8キロが不通となっている。このうち八代-人吉間は球磨川沿いを走る「川線」と呼ばれ、24年4月に国を含めた3者が鉄道での復旧で基本合意した。
福岡市の本社で開いた定例会見で古宮社長は「1日の乗車人員が、ほぼいない駅がいくつかある。街並みが変わったエリアもある」と指摘。線路の位置は被災前と原則変わらないとの見通しを示しつつ、「駅の位置や数が変わる可能性はあると思う。住宅を建てる場所など、今後のまちづくりの計画とセットで、駅の在り方も考えていく必要がある」と説明した。
最終合意には、鉄道の運行と所有・管理の主体を分ける「上下分離方式」や、利用促進策に関する費用分担を盛り込む方針。古宮社長は「駅については(最終合意で)ある程度、大きな方針を決めておきたい」と述べた。
県交通政策課の担当者は「災害復旧事業なので、駅も被災前の姿に戻すのが基本だ。被災前、利用者が少なかった駅があるのは確かで、復旧駅の活用に関する地元の意向を丁寧に、くみ取る必要がある」と話した。(立石真一、小山智史)
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熊本市出身。早回しの歌に乗せた形態模写やデフォルメの効いた顔まねでデビューして45年。声帯模写も身に付けてコンサートや座長公演、ドラマなど活躍の場は限りなく、「五木ロボ」といった唯一無二の芸を世に送り続ける“ものまね界のレジェンド”です。その芸の奥義と半生を「ものまね道」と題して語ります。