ウイルス結合で新型コロナ治療 東京科学大、変異にも対応
ウイルスに結合して感染を防ぐ新型コロナの治療薬候補を、アミノ酸が連なる小型タンパク質「ペプチド」で開発したと、東京科学大などのチームが25日までに米科学誌に発表した。副作用がなく、ウイルスが変異を繰り返しても効果があるとし、医師主導治験の実施を目指す。
新型コロナは、ウイルス表面にある突起状のスパイクタンパク質が人の細胞の受容体にくっつき、細胞内に侵入することで感染する。チームはウイルスの結合部位の構造を、超低温電子顕微鏡で解析した。
ウイルスが変異してスパイクタンパク質の構造が変わっても、中心となる骨格は変わらないことを確認。39個の天然アミノ酸を連ね、この部分に強く結合するペプチドを作製し、武漢株からオミクロン株派生型まで対応できるようにしたという。
人の細胞にさまざまな変異株を感染させ、18時間後にこのペプチドを投与すると、投与していない細胞に比べ死滅する細胞が激減。感染したハムスターに与えると、肺のウイルス量が千分の1になり体重が増加した。
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