異常ミトコンドリアが移動 がん免疫療法の効果低下
がん治療で注目を浴びる「がん免疫療法」が効かないタイプのがんでは、がん細胞の異常なミトコンドリアが周辺の免疫細胞に移って“乗っ取り”、働きを阻害していることが分かったと、岡山大などのチームが22日付の英科学誌ネイチャーに発表した。チームの冨樫庸介岡山大教授は「他の病気の病態解明や治療法開発につながる可能性もある」とした。
「免疫チェックポイント阻害薬」などのがん免疫療法では、薬で活性化した免疫細胞が、がんを攻撃し効果を発揮する。京都大の本庶佑特別教授が治療薬開発への道を開いたとして、2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。一方で全く効かないケースもあり、詳しい理由は分かっていなかった。
ミトコンドリアは、細胞の中でエネルギーを作る役割を持つ器官。がん細胞のミトコンドリアは遺伝子変異していることが知られている。
チームはまず、がん細胞周辺にあるT細胞という免疫細胞について、ミトコンドリアの異常原因を分析。がん患者の症例の約40%で、がん細胞と同じ変異が生じていることが分かった。
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