【熊日30キロロード】「高校時代より数倍強い」…恩師も絶賛、地元沸かせた快走 優勝した青学大・鶴川(九州学院高出)

まさに千両役者の活躍だった。16日、熊本市で開かれた金栗記念第67回熊日30キロロードレースで、青学大4年の鶴川正也(22)が1位でフィニッシュテープを切った。残り300メートルからのラストスパートで鮮やかな逆転劇。故郷のファンは沸き立った。
30キロは未知の距離だった。全国高校駅伝1区で区間賞を取った鶴川は本来、スピードタイプ。これまでの最長は箱根駅伝3区の21・4キロで、長距離への適性を不安視する声もあった。しかし、力強い走りで難なくこなしてみせた。九州学院高時代の恩師、禿雄進監督(66)は「地力がついた。高校時代より数段強くなった」と目を細める。
1月の全国都道府県対抗男子駅伝は、熊本県チームの大黒柱として3区で区間2位。今月9日の郡市対抗熊日駅伝では最優秀選手に選ばれた。今大会のコースには母校・託麻中の校区も含まれ、沿道で友人や家族から大きな声援が飛んだ。鶴川は「熊本の街並みを見ながら走れて楽しかった」と勝利の余韻に浸った。

4月から実業団で競技を続ける。9月に東京で開かれる世界選手権5000メートルの日本代表入りが、当面の目標だ。トラックでの勝負強さを磨くため、正月の箱根駅伝を終えてからは「土台となるスタミナ強化」に励んできた。
フルマラソンへの登竜門に位置付けられる熊日30キロを制したことで「フルに挑戦してみたくなった」という。レース中継で解説を務めた青学大の原晋監督(57)は「世界で戦えるランナーになる可能性を感じた」と評した。ホープが大舞台へ羽ばたく日も近そうだ。(宮﨑達也)
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熊本市出身。早回しの歌に乗せた形態模写やデフォルメの効いた顔まねでデビューして45年。声帯模写も身に付けてコンサートや座長公演、ドラマなど活躍の場は限りなく、「五木ロボ」といった唯一無二の芸を世に送り続ける“ものまね界のレジェンド”です。その芸の奥義と半生を「ものまね道」と題して語ります。