子宮頸がんワクチン、無料接種の期限迫る 9月末まで
子宮頸[けい]がんワクチンの接種機会を逃した人を対象にした無料の「キャッチアップ接種」の期限が9月末に迫っている。熊本県や熊本市、県医師会は対象者に検討を呼びかけている。
ワクチンは小学6年~高校1年が対象で、原因とされるヒトパピローマウイルスの感染を予防する。国は2013年4月に無料の定期接種を始めたが、副反応の影響で13年6月に積極的な勧奨を中止した。有効性や安全性が確認されたとして、22年度に勧奨を再開した。
キャッチアップ接種は、中止期間中に受けられなかった1997~2007年度生まれが対象。無料の期間は25年3月末までで、計3回の接種を終えるには6カ月かかるため、全て無料で受けるには9月末までに1回目の接種を終える必要がある。自己負担で3回接種した場合、10万円ほどかかるという。
熊本市感染症予防課によると、熊本市の接種率は22年度が3・4%、23年度は5・2%にとどまる。木村仁洋課長は「ワクチンやキャッチアップ接種を知らない人に判断材料を提供したい。メリットや副反応のリスクを把握してから判断してもらいたい」と話す。
部位別でみた県内女性のがんの罹患[りかん]率は、子宮体がんを含めた子宮がんが4番目に高く、全国平均を上回る。県医師会の広報担当理事の秋月美和医師は「副反応にも注意が必要だが、子宮頸がんはウイルスが分かっていてワクチンで予防できる。無料接種の期間を利用して受けてもらいたい」と働きかける。
対象者に社会人も含まれることから、熊本市は夜間や土日祝日も接種できる医療機関を市のホームページで公開している。(横川千夏)
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