「被爆電車」改修費用、クラファンで募集 30日まで 熊本電鉄「後世に残すため協力を」
熊本電気鉄道(熊本市)は、同型車両の一部が「被爆電車」として知られる「モハ71形」の改修費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。8月30日までに450万円を募る計画だが、23日正午時点で約168万円と苦戦。同社は「貴重な車両を後世に残すため協力してほしい」と呼びかけている。
モハ71形は1928年に製造され、多くが広島に投下された原爆で被爆。熊本電鉄は国鉄から54、57年に3両を譲り受けた。1両が被爆した可能性があるが、どの車両かは不明。最後の1両は81年に引退し、その後は北熊本駅(熊本市北区)の車両基地で他の車両をけん引していた。
2009年に同社の創業100周年記念事業として修復し、イベントで活躍。同社によると、動く状態で残っているのは全国的に珍しいという。しかし、屋内車庫に十分な場所がなく、屋外に置かれていた。あずき色の外装がはがれ、さびた下地がむきだしになっている部分もある。
CFサイト「うぶごえ」を利用し、寄付額は3千円から15万円。返礼品は、クリアファイルやキーホルダーといったモハ71形のグッズ、構内試走乗車体験などを用意する。熊本電鉄の担当者は「修復して今以上に活躍させたい。熊本に歴史ある車両があることをたくさんの人に知ってほしい」と話している。(九重陽平)
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