「よく分かる」TSMC新工場

熊本日日新聞 | 2022年10月4日 10:21

 半導体メーカーなどから注文を受け、半導体の生産だけを担う「受託生産」の世界最大手が、台湾・新竹に本社を置く台湾積体電路製造(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company=TSMC)です。1987年設立で世界シェアは5割超。最先端の技術を持ち、日本のソニーグループ、米国のアップルなど多くのメーカーを顧客に持っています。

 半導体はあらゆる分野に不可欠で「産業のコメ」と呼ばれます。デジタル化の進展や電気自動車(EV)の普及などで、長期的に需要が増えると予測されています。日本政府は半導体を国内で安定的に調達できるようにするため、日本での投資を促す法整備に動き、TSMCは熊本県菊陽町への進出を決めました。中国、米国に次ぐ3カ国目の海外工場となります。

 敷地面積約21・3ヘクタール。投資額は約86億ドル(1兆円超)で日本政府が最大4760億円を補助します。2022年4月着工、2024年末の出荷開始を予定し、約1700人の雇用を見込んでいます。世界最先端ではないものの、日本では最新となる、演算処理などを担うロジック半導体を生産予定です。工場を運営する子会社「JASM」にはソニーグループや自動車部品のデンソーも出資しました。

 TSMC進出に伴い、関連する企業が続々と熊本への進出や設備増強を表明しています。菊陽町周辺では土地需要が高まり地価が上昇。今後の大きな経済波及効果が期待されています。

 一方、工場では多量の水を使うことから地下水への影響を心配する声や、交通渋滞悪化の懸念も出ています。人手不足が深刻化しており、人材の確保・育成が大きな課題となっています。

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