量子計算機でも破れぬ暗号 米、標準3方式普及図る
【ワシントン共同】米国立標準技術研究所(NIST)は13日、通信データの暗号化について、次世代計算機である量子コンピューターでも破れないよう三つの技術方式を新標準として決めたと発表した。国家機密から個人の通販、メール送受信まで、さまざまなオンラインの情報交換と本人認証の安全が確保できるよう普及を図る。
現在の一般的な暗号技術は、大きな数になると既存のコンピューターでは現実的な時間で解けない素因数分解を利用している。だが量子コンピューターが高性能になると解けるまでの時間が劇的に短縮し、通信の秘密が侵されかねない。こうした危険性は10年以内に現実になると予測する専門家もいる。
新たに標準となった暗号化手法は、それぞれ異なる数学理論に基づいており、既存コンピューターと量子コンピューターのどちらでも第三者が破れないものとした。導入には時間がかかるため「すぐに作業を始めてほしい」と呼びかけた。
NISTは2016年、新標準の提案を募り、世界から82件の応募があった。破られにくさに加え、動作の速さも考慮して絞り込んだ。
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