どう防げば…「第6波」感染急増 熊本県内、医療機関や学校に危機感 新型コロナ

熊本日日新聞 | 2022年01月15日 08:30

消毒液やアクリル板の仕切りが置かれた「ぽぽろハウス」の食堂。介護現場ではさまざまな接触が避けられないという=14日、熊本市中央区

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。熊本県内では14日、新たに過去最多となる390人の感染が確認された。感染力が強い新変異株「オミクロン株」感染が多いとみられ、医療機関や学校では一部休診や学級閉鎖も出始めた。感染者と、それに伴う濃厚接触者の急増は、命を守る医療や介護の現場にも影響を与えかねない。関係者は「第6波」の急展開に危機感を募らせる。

 「第5波よりも感染拡大のスピードが速い。オミクロン株の広がりを実感する」。発熱外来を設けている前田内科医院(熊本市中央区)の前田篤志院長は言う。14日もひっきりなしに受診者が訪れていた。

 防護服姿のスタッフが駐車場で検体を採取し、前田院長が結果を伝える。1日当たり6~8人の陽性者が出ているという。「スタッフにも、普段の生活から感染予防を徹底するよう伝えている」

 看護師や入院患者のクラスター(感染者集団)が発生した国立病院機構熊本医療センター(同区)は、救急外来を休診している。感染が確認された患者がいたフロアを閉鎖しており、病床が足りない状況となったためだ。

 高橋毅院長が懸念するのは、濃厚接触者となった入院患者の存在。医師や看護師は濃厚接触者になっても陰性が確認されれば勤務可能だが、入院患者はそのまま待機せざるを得ない。

 「閉鎖中のフロアは入退院ができない。手術予定の患者を別のフロアで受け入れているが、院内で病床の取り合いにもなりかねない。その結果、救急患者が受け入れられないとなれば、他の医療機関に負担を掛ける」

 限られた人員で運営する介護施設も緊張の日々が続く。「感染による欠勤者が出れば、自分が朝から晩まで働いて、夜勤も担うしかないのか」と、サービス付き高齢者住宅「ぽぽろハウス」(同区)の世良太一施設長はため息をつく。

 90代を中心に26人が入所し、約50人のスタッフで24時間体制の介護を担う。「人員はぎりぎり。家族を含めさまざまな形で人と接するし、デイサービス利用者や各種の業者の出入りを止めるわけにもいかない。どうやって感染を防げばいいのか」

 特別養護老人ホーム福寿荘(湯前町)の那須和敏管理者も、職員が濃厚接触者となり、出勤できなくなるケースを危ぶむ。「人手が確保できなければ、入浴回数を減らしたり、非常食を利用したり、業務縮小も考えざるを得ない」

 子どもたちと密に関わる学童保育の不安感も強い。桜井小(熊本市北区)の児童約50人が利用する「さくらっ子クラブ」の副クラブ長、安元志仁さん(41)は「支援員から子どもに感染を広げないよう、消毒や換気などできる限りの防止策を徹底するしかない。感染が広がり閉鎖となれば、子どもや保護者の生活にも大きな影響が出るだろう」。(山口尚久、清島理紗)

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