熊本市、税収が過去最高に 2023年度1280億円 コロナ5類移行で経済活発化
熊本市が公表した2023年度決算概況によると、市税収入は前年度比2・1%増の1280億6850万円と過去最高になった。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、経済活動が活発になったことで個人市民税などが伸びた。
市税収入は、コロナの5類移行に伴う雇用回復の動きを背景に納税義務者数や所得金額が増加したことで個人市民税が増加。大型マンションの開発などによる固定資産税の増収も影響した。この結果、歳入は前年度比1・3%増の4136億1263万円となった。
一方、歳出は前年度比0・8%増の4027億5879万円で過去3番目の規模。国が物価高対策として取り組んだ低所得者向け給付事業に伴い、扶助費が前年度比7・4%増の1240億8223万円となったことが影響した。人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費は2417億9803万円で前年度と比べ2・2%増となった。
歳入と歳出の差額から翌年度に繰り越す財源を除いた実質収支は、前年度比8・3%減の64億4455万円の黒字。黒字分は24年度の補正予算の財源に充てる。
貯金に当たる財政調整基金は16・3%増の50億258万円。臨時財政対策債を除いた市債残高(普通会計ベース)は、0・6%減の2912億2970万円となった。
財政の健全さを示す指標のうち、借金返済の負担の大きさを示す実質公債費比率は前年度と同水準の5・5%。公債費や退職手当などの将来負担の大きさを表す将来負担比率は前年度より9・3ポイント改善し、92・9%。いずれも、早期健全化の基準(実質公債費比率25%、将来負担比率400%)を大きく下回った。(臼杵大介)
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