淡水生物4分の1絶滅危機 日本固有の魚は4割
川や湖といった淡水に生息する世界の魚やザリガニ、トンボなど約2万3千種のうち4分の1が絶滅の危機にあるとの分析結果を国際自然保護連合(IUCN)のチームが8日付の英科学誌「ネイチャー」に発表した。淡水生物の保全状況を地球規模で網羅的に評価した初めての調査。生物種の1割は淡水に生息するとされ、人間の生活や文化とも関わりが深く「絶滅を防ぐため迅速な対応が必要だ」と指摘した。
絶滅リスクの評価に携わった京都大大学院の渡辺勝敏教授(生態学)によると、国の天然記念物アユモドキなど日本固有の淡水魚は4割程度が絶滅危惧種と評価されている。主な原因は水田周辺などの生息地の減少やブラックバスのような侵略的外来種の増加で、渡辺教授は「危機の度合いが深刻になり続けている」と警鐘を鳴らす。
チームは20年以上かけ、淡水にすむ2万3496種の生息状況を分析。24%は絶滅のリスクが高いと推計した。主に水の汚染やダムが悪影響を及ぼしていた。
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