【熊本県内学食めぐり=東海大阿蘇くまもと臨空キャンパス食堂】雄大な景色でリフレッシュ 学生のため「安くてうまい」研究
豊かな自然に囲まれた益城町の東海大阿蘇くまもと臨空キャンパス。真新しい学食に足を運ぶと、木目調の内装が目を引く。ガラス張りで開放的な雰囲気は、訪れる人の気分を晴れやかにしてくれそう。
午前11時半すぎ。タッチパネル式の券売機に長い列ができ、210席はあっという間に満席になった。学生らは思い思いに食事を楽しむ。生物科学研究科生物科学専攻博士課程3年の女子学生は「雄大な景色を見ながら食事をするのが毎日の楽しみ。研究で疲れた頭をリフレッシュできる」と笑顔を見せた。
臨空キャンパスは2023年4月に開設。16年の熊本地震で被災した旧阿蘇キャンパス(南阿蘇村)に代わる農学部の新たな拠点として、約900人が学んでいる。食堂は熊本キャンパスと同じく、病院や学校の給食を担っている「東臣」(大津町)が運営。一般客も利用でき、1日平均約200人が訪れる。
テーブルは4人掛けのいす席を中心に、6人掛けのソファ席や2人用の対面席、1人用のカウンター席などさまざま。外にはテラス席もある。
食事の提供は午前11時~午後1時半で、それ以外の時間も自由に利用できる。臨空キャンパス職員で、施設の維持管理を担う髙倉智之さん(40)は「食堂は憩いの空間。オンラインで授業を受けたり、勉強に励んだりする学生もいる。先日はテラス席で、ギターの弾き語りをしていた学生を見かけた」とほほ笑む。
メニューは日替わりの定食と麺類に加えて、丼物3種類、麺類6種類、カレー3種類を用意。いずれもボリューム満点で、価格も250~500円と大満足の設定だ。
一番人気はカツカレー(450円)。料理長の田上和臣さん(53)は1時間以上タマネギを炒めて甘みを引き出す。150グラムのカツは食べごたえ抜群で、食欲旺盛な記者も満腹になった。唐揚げ定食(480円)やチキンタツタ定食(同)、日替わり定食(500円)の麻婆丼もお薦め。
安価な具材をやりくりして経営努力を続ける一方、みそやしょうゆは「おいしい」と評判の高森町の老舗「豊前屋本店」から仕入れるこだわりも。農学部1年の男子学生は「定食はみそ汁もおいしい。ご飯が進む」とうなずく。
田上さんのお気に入りのテレビ番組は「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」。安くておいしい食事を提供するための参考になるという。「ご飯を食べた瞬間、学生たちのおいしそうな表情を見るのが何よりの喜び。ランチの時間を楽しみにしてもらえるよう、『安くてうまい』を研究していく」と力を込めた。(後藤幸樹)
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