インフルなどで出席停止手続き、診断書は必要? 高校で異なる対応、保護者負担に差「不公平」 診断書以外OKの学校も
「県立高校1年の次女がインフルエンザにかかり、学校から出席停止にするため罹患(りかん)証明書を提出してほしいと言われた。長女が通った別の県立高校は必要なかったのに…」。熊日のSNSこちら編集局(S編)に宇土市のパートの女性(48)から声が寄せられた。高校によって異なる保護者の負担。各校の対応を調べた。
女性によると、次女がインフルと診断されたのは1月。次女の高校では、出席停止にするには診断書か、学校が定める証明書に医師から記入してもらう必要があった。次女が受診した病院はいずれの場合も有料だったため、2200円を支払い、診断書を提出した。
女性は「宇土市の医療費は無料でも診断書は有料。医師は『まだ診断書を求める学校があるんですね』と首をかしげてました」と言う。実際、長女(20)が通った学校は、定期テスト期間中で出席停止する場合を除き書類の提出を求めていない。普通科に通った長女と異なり、次女が在籍するのは工業高校。女性は「この違いが関係するのだろうか」と話す。
次女の高校に罹患証明書の提出を求める理由を尋ねると、「出席日数は就職や進学に関係する。どんな病気にかかったか記録を明確に残すため」。保護者の費用負担を考慮し、学校が定める書類への記入を薦めているが「最近、病院によっては書類の記入でも料金が発生するようになった」と悩ましげだ。
別の工業高校2校に聞くと、出席停止の手続きに証明書の提出が必要なのは同じだった。その理由をある養護教諭は「欠席扱いにならない出席停止なら、就職に有利に働く場合があるから」と説明する。
ただ、証明書を必要とするケースは微妙に異なる。県央の高校は「診断書など医師による証明が必要なのはテストの時のみ」。県南の高校は、薬袋でも証明書とみなしているという。
熊本市教育委員会によると、熊本市立の2校はテスト以外も所定の様式で罹患証明書の提出を求めている。
取材した高校ではいずれも、テスト時には証明書が必要だった。テストを受けられない場合、出席停止と欠席では、これまでの成績に基づく「見込み点」に差があるからだという。
熊本市立の中学校では全校で、出席停止の手続きに罹患証明書の提出は不要だ。一方、高校になると各校によって対応が異なる。県教委は「単位認定や進級、卒業の決裁権が校長にある」として、熊本市教委と同様、各校に判断を委ねている。子どもが通っている高校によって保護者の負担に差がある点について、県教委は「各学校の判断。仕方がない」と話す。
これに対し、投稿した女性は「不公平」と納得いかない様子。ちなみに福岡県教委は、インフルなどの出席停止の手続きについて「生徒側からの口頭の申し出で済ませており、診断書などの提出は求めていない」としている。(東有咲、高橋俊啓)
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