自転車ヘルメット着用、熊本工高が義務化へ 県内公立高で初めて 4月から
熊本市中央区の熊本工高が4月から、自転車で通う生徒にヘルメットの着用を義務付けることが28日、分かった。熊本の公立高では初の試みとみられる。同校は「生徒が少しでも安全に通学できるようにしたい」と説明している。
自転車利用者のヘルメット着用は、2023年4月に改正道交法が施行され、小中高生に限らず全年齢で努力義務となった。ただ同年7月の全国調査では熊本の着用率は8・3%にとどまっている。
熊本工高は、全生徒の約9割、1075人が自転車で通学。道交法の施行後もヘルメットを着用する生徒は1%にも満たないという。23年度の自転車事故は27日現在41件で、前年度1年間(23件)の約2倍に上っており、新年度からの義務化を決めた。今年2月、在校生の保護者に文書で伝えており、新入生には合格者招集で周知する予定。
自転車通学の許可条件にヘルメット着用を盛り込み、同校の売店でもヘルメットを販売する予定。違反した生徒へのペナルティーや購入補助を設けるかどうかは今後、検討する。
同校の方針に、熊日のSNSこちら編集局(S編)にも投稿が寄せられた。長男が通う熊本市中央区の主夫(52)は「着用義務化は子どもの安全面から見て、大きな前進」と歓迎する。
熊本県と熊本市の教育委員会はいずれも、各校の判断に委ねており、熊本工以外、ヘルメットの着用義務化を決めた高校を把握していない。県教委では各校にヘルメット着用の指導強化や交通安全教室の開催を促してきたが、ヘルメット購入の負担に対する保護者の抵抗もあり、なかなか生徒に着用が浸透していないという。
県教委学校安全・安心推進課は、熊本工の方針について「生徒の命を守ることにつながる。ほかの高校にも取り組みが広がってほしい」としている。
県教委によると、特別支援学校は6校でヘルメット着用を義務化している。(東有咲)
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