発達障害外来、学会の指針逸脱 クリニックが高額治療

共同通信 2023年12月16日 22:48
 取材に応じる精神科クリニックの関係者=8月、大阪市
 取材に応じる精神科クリニックの関係者=8月、大阪市
 精神科クリニックがTMS契約を結ぶまでの流れ
 精神科クリニックがTMS契約を結ぶまでの流れ

 発達障害の専門外来をうたい、東京や大阪などで展開する精神科クリニックが、日本精神神経学会が認めていない独自の見解を基に「効果が高い」と宣伝し、頭部を磁気で刺激する治療に誘導していることが16日、クリニック関係者や元患者らへの取材で分かった。患者側が治療費のために高額のローンを組むケースもあり、専門医から「不安を利用している」との批判が出ている。

 この治療法は「経頭蓋磁気刺激治療(TMS)」と呼ばれる。日本精神神経学会の指針や専門家は、うつ病には一定の効果があるが、発達障害に有効との科学的根拠は乏しく、治療に用いるべきではないとしている。

 クリニックは発達障害に有効だと宣伝し、カウンセリングや診察で「9割に効果がある根本治療で、効果は持続する」と強調。学会が指針で避けるよう求めている未成年にも勧めている。

 元患者らによると、初診の脳波検査で「脳に混線がある」「発達障害のグレーゾーン」などと説明。治療費を一括で支払えない場合はローンを組ませるなどし、8~48回の施術(費用は最大で計約85万円)を契約させるケースが多い。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「医療」記事一覧