iPSで「心臓周皮細胞」 新たな心不全治療の開発も
京都大などの研究グループは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を活用し、血管の形成や心筋細胞の増殖を促す「心臓周皮細胞」の機能を持つ細胞を高効率に作製することに成功したと26日付の米科学誌に発表した。新たな心不全治療の開発につながることが期待される。
胎児期の体内では、心外膜細胞と呼ばれる細胞から、周皮細胞など心臓を組織する各細胞が作られる。iPS細胞から心外膜細胞を安定的に作る手法は既に確立されている。一方で心外膜細胞から周皮細胞ができるには複数のステップが必要で、他の細胞も同時に作り出されることがあった。
グループは、心外膜細胞で「SMAD3」という遺伝子の量が増えることに着目。SMAD3の役割を調べるため、小さなリボ核酸(RNA)を加えて結合させ、わざと働きを落とした。すると、心外膜細胞は通常より細長い形に変化した。
変化した細胞を調べると、血管を作る作用を促す周皮細胞の機能を持つことが分かった。さらに、この細胞が分泌する物質は、心臓の働きの中心となる心筋細胞の増殖を促進する効果を持つことも確認された。
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツNEWS LIST
全国のニュース 「医療」記事一覧-
「健康寿命」横ばい、厚労省発表 男72・57歳、女75・45歳
共同通信 -
再生医療法違反で改善命令 細菌混入で敗血症発症か
共同通信 -
【独自】平均年収で最大5万9000円 高額療養費の月額上げ幅
共同通信 -
遠方への妊婦健診、交通費を補助 8割分、リスクある人ら対象
共同通信 -
高額療養負担上限25年8月上げ 26年度からは年収区分細分化
共同通信 -
二大バイオバンク連携強化 患者と健常者の比較容易に
共同通信 -
人の培養血管製品を初承認 米FDA、重傷者に移植
共同通信 -
薬価、一律引き下げ見直し 政府、2500億円抑制へ
共同通信 -
在宅医療患者1日23万人で最多 23年調査、入院は最少更新
共同通信 -
インフル流行「注意報レベル」 前週比2倍超、全国で増
共同通信