小児がん、国内未承認薬を投与へ 国立センター、有効性を臨床研究
小児や「AYA」と呼ばれる若年世代のがん患者に、海外では承認されているものの国内では適応外や未承認となっている治療薬を投与する臨床研究を、国立がん研究センターが始めることが14日、分かった。厚生労働省の専門家会議が計画を了承すれば、来年1月にも開始する。
必要とする患者に薬を迅速に届けるのが狙い。臨床研究で有効性が確認されれば薬事承認を目指す。同センター中央病院の小川千登世小児腫瘍科長は「使いたい薬を使えない患者をなくしたい」と訴える。
「分子標的薬」と呼ばれる、がんの原因となる遺伝子に作用する薬を使用。従来の抗がん剤に比べ副作用が抑えられるとされ、世界的に開発が進む。一方、近年は海外で承認された新薬の国内での承認が遅れる「ドラッグラグ」や、承認に向けた開発のめどが立たない「ドラッグロス」が深刻化しており、小児・AYA世代の分子標的薬にも多い。
臨床研究では、国内で適応外や未承認となっている慢性骨髄性白血病などの分子標的薬を使う。治療薬は企業が無償提供し、参加する患者の追加負担は生じない予定という。
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