衆院選は社会学ぶ好機 慶誠高、NIEで関心高める

10月20日 11:49

社会科の甲斐浩志郎教諭(手前)から選挙の仕組みを学ぶ慶誠高の3年生=熊本市中央区大江の同高
慶誠高の教室前に設けられたNIEコーナー。熊日など7紙に目を通せる

 衆院選が22日に投開票を迎える。選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられて初めての総選挙。NIE(教育に新聞を)実践指定校の慶誠高(熊本市中央区大江)でも、選挙に対する意識付けの場を設け、新聞を活用して社会への関心を高めている。取り組みの様子をのぞいた。(佐藤公亮)

 「衆院選の投開日はいつかな」「22日です」「おっ、意識が高いね」。今月2日、慶誠高の体育館で行われた3年生の学年集会。学年主任の教師が冒頭、投開票日を尋ねると、生徒が素早く返答した。

 学習会に充てられた学年集会は本来、制服の移行期間に合わせた服装点検を予定していたが、衆院解散を受けて内容を変更。担当した社会科の甲斐浩志郎教諭(27)は「選挙に関係する政治経済の授業を選択していない生徒もいる。関心を高める好機と捉え、実施することにした」という。

 甲斐教諭は約200人の生徒を前に、県選挙管理委員会から借用した選挙制度の解説ソフトをスクリーンに映し出して説明。これまでの国政選挙の投票率や意義、選挙権を行使する重要性を訴え、「『適当な候補者がいなかったから投票しなかった』という考え方は、『夏休みの宿題やったけど、家に忘れてきた』という言い訳と同じです」と呼び掛けた。

 3年生の小山椋子さん(18)は「国内外がどんどん変化していく時代。18歳になって選挙権を手にして、自分たちの将来のことを真剣に考えるようになってきた。これまでは投票の仕方とか何も分からなかったが、選挙を学ぶ機会を得て意識するようになった」という。

 同高は本年度からNIE実践指定校に加わり、新聞を活用した授業に取り組んでいる。校舎内の3カ所に「NIEコーナー」を設け、熊日を含む新聞7紙の閲覧を促す。「日ごろから新聞やニュースに触れ、判断材料として情報を見比べる習慣を身に付けさせようとしている」と甲斐教諭。毎日読み込む生徒もいて、学習会後も、自宅から離れて暮らす寮生から、投票に関する質問を投げかけられることが増えているという。

 森村航平さん(17)は、まだ選挙権を持っていないが、「若い世代の意見を取り上げてくれる候補者に期待。自分たちはこれからの日本のいろいろな問題に直面していく。選挙を通して声を上げていきたい」と話していた。