熊本で生産する半導体ってどんなもの? 経済記者がイチから解説 「もっとよく分かる」TSMC②
![ウエハー上に並ぶ半導体チップ(TSMC提供)](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2023-01/IP230116TAN000113000_02.jpg?itok=McU4oG-1)
菊陽町で台湾積体電路製造(TSMC)の半導体工場の建設が進んでいます。一口に半導体といってもさまざまな種類があり、新工場で生産するのは演算用のロジック半導体です。一体どのようなものなのでしょうか。
![TSMCの創業や、半導体の微細化など発展の歴史を紹介する「台積創新館」。本社に隣接している=12日、台湾・新竹市(山本文子)](/sites/default/files/styles/crop_default/public/2023-01/IP230116TAN000150000_01.jpg?h=b71b5adc&itok=evMT4RCs)
■「産業の脳」 ロジック半導体とは
「先端ロジック半導体は(略)いわば『産業の脳』として重要であるが、わが国のミッシングピースの一つ」─。2021年6月に経済産業省が公表した「半導体・デジタル産業戦略」の要点に出てくる一文です。あらゆる電子機器に使われる半導体は「産業のコメ」と呼ばれますが、その中でもロジック半導体は、データの演算処理をする頭脳のような役割を果たします。
半導体は、ウエハー上に形成する電子回路が微細になるほど、多くの回路を一つのチップに組み込めるため性能が上がります。ただ、日本勢は設計と生産の水平分業の潮流を捉えきれず、投資が縮小。回路線幅40ナノメートル(ナノは10億の1)未満の先端ロジック半導体を生産できる工場は国内にはありません。失われた生産能力を確保しようと、日本政府はTSMCの誘致に動きました。
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