新工場で働く1700人はどんな人? 初任給高め、平均報酬〇万円超、離職率は… 経済記者がイチから解説 「もっとよく分かる」TSMC③
台湾積体電路製造(TSMC)の子会社JASM(熊本市)は、菊陽町に建設中の半導体工場が2024年末に量産を開始した後の25年時点の雇用者は、先端技術に通じた人材約1700人になるとしています。従業員はエンジニアが中心となる見込みです。新工場で働くのは、どのような人たちなのでしょうか。
■新卒と中途、700人を新規採用へ
JASMは約1700人の内訳を、台湾のTSMC本体から派遣される技術者320人、JASMに出資するソニーグループからの技術者200人、新卒と中途の新規採用計約700人、アウトソース(外部委託)約500人としています。新卒と中途の内訳は、およそ半々を想定しています。
このうち、新卒採用は第1期の23年春入社で100人超が内定したと明らかにしています。地元の大学からの内定者が多いといい、熊本大や崇城大も含まれています。理系が中心のようですが、文系もいると言われています。24年春入社は、さらに2割以上増やす方針です。
■初任給は県内平均を大幅に上回る
新工場の採用ホームページによると、応募・採用の過程は開始から終了までおよそ10週間。書類選考後、1次面接、適性検査、2次面接と進み、採用が決まります。大学関係者の話では、面接は英語か日本語を選択可能。23年春入社の新卒採用者は、台湾にあるTSMCの工場で研修を受けた後、新工場に配属される予定です。新卒、中途とも採用は順調に進んでいるようです。
アウトソースを巡っては、TSMCを含めて九州で半導体関連企業の進出や増強が相次いでいることを受け、人材派遣会社などが県内に研修施設を開設する動きが広がっています。TSMCの新工場を含め、県内で新たに約7500人の雇用が生まれるとの試算もあり、人材の育成や確保は大きな課題となっています。気になるのは待遇面です。
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