台湾からの赴任者はどこに住むの? 子どもの学校は? 経済記者がイチから解説 「もっとよく分かる」TSMC④
台湾積体電路製造(TSMC)が菊陽町に建設中の工場には、台湾から技術者320人が派遣される予定です。その家族は約300人で、うち子どもが半数です。台湾からの赴任者の住宅や教育環境の整備は、どのようになっているのでしょうか。
■新築や築5年以内の賃貸物件、1千世帯分が必要
「TSMCを最高の環境でお迎えするため、半導体人材の育成、周辺地域の道路やインフラなどの整備、教育環境の整備や住居の確保など、県の関係機関が一丸となって取り組みを進めていることをお話ししました」。1月12日にTSMC本社を訪問し、帰国した後の最初の定例記者会見で、蒲島郁夫知事はこう述べました。
約1700人を雇用する巨大工場を受け入れるための課題は山積していますが、その中でもTSMCの子会社で、新工場を建設・運営するJASM(熊本市)も要望しているのが、台湾からの赴任者をはじめとする従業員と家族の住環境や教育環境の整備です。
県は昨年8月、「JASMの住宅確保に向けた協力について」と題した依頼文書を県賃貸住宅経営者協会など県内の不動産3団体に送りました。それによると、JASMは従業員向けに1千世帯分が必要になると見込み、新築を中心とした築5年以内の賃貸物件を工場周辺やJR豊肥線沿いに求めています。
■小学校で英語必修の台湾、海外学習塾の進出計画も
新工場のサプライヤーの従業員向けに、さらに700世帯分が必要になるとの見方もあり、県内の不動産各社はマンションなどの建設を急いでいます。一方、菊陽町は市街化区域が限られ建設用地不足が深刻です。周辺自治体も含めて、地価の高騰が顕著になっています。
用地不足を解消しようと、熊本市は北区にある市営楠団地の旧棟跡地を、JASMをはじめとする半導体関連企業の従業員と家族向けの集合住宅を整備する条件で、昨年12月に売却。民間業者が7月から9月にかけて計51戸完成させる予定です。教育面はどうでしょうか。
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