旧阿蘇大橋を保存へ、3500万円予算化 熊本県 「震災遺構」として後世に

熊本日日新聞 | 2021年11月22日 21:34

熊本地震で崩落し、県が震災遺構として保存工事を施す旧阿蘇大橋=17日、南阿蘇村

 災害の爪痕を、そのままの姿で─。熊本県は22日、熊本地震で崩落した旧阿蘇大橋(南阿蘇村)の一部について、「震災遺構」として現地保存する事業費を2021年度一般会計補正予算案に計上すると発表した。コンクリートなどで固定する工事を施し、地震の教訓を後世に伝える。

 旧阿蘇大橋は南阿蘇地域の大動脈として1971年に開通。長さは約200メートルあったが、16年4月の本震で崩れた。橋桁の一部(長さ18メートル、幅9メートル、重さ250トン程度)が峡谷に引っ掛かった状態で残っている。

 代替の新阿蘇大橋が今年3月に開通し、県は南阿蘇村の要望などを受けて旧橋の保存を決めた。30日開会する定例県議会に詳細設計と保存工事の経費3500万円を提案。全額県費で賄う。

 22年3月までに詳細設計を終え、4月以降に工事に着手。斜面から引っ張り材を伸ばして橋桁を固定し、ずれ落ちないように下側もコンクリートで補強する。23年3月までの工事完了を見込み、その後は村が維持管理を担う。

 この震災遺構は、約180メートル離れた対岸の展望スペースから見ることができる。県観光交流政策課は「地震の規模や被害の程度が心に響く貴重な場所で、保存する意義は大きい。防災教育にも活用したい」としている。(潮崎知博)

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