熊本地震の支援助成金、5年で16億円 県内外819団体へ拠出

熊本日日新聞 | 2021年04月22日 16:00

熊本地震の被災地支援を担う団体の活動を後押しするため、助成金の紹介や活動調整をしてきた「火の国会議」=20日、熊本市中央区

 熊本地震の被災地支援を担う民間団体に財団法人などから拠出された助成金の総額が、5年間で16億4200万円に上ったことが21日、特定NPO法人・くまもと災害ボランティア団体ネットワーク(KVOAD[ケイボアド])=熊本市=の集計で分かった。拠出先は県内外の延べ819団体。

 KVOADによると、助成金は日本財団や赤い羽根共同募金、民間団体の活動を支援するジャパン・プラットフォームなどが交通費や宿泊費、資機材費、重機のガソリン代、イベント運営費などの名目で公募してきた。

 拠出額を年度ごとにみると、地震が起きた2016年度は12億3500万円。5年分の総額の8割近くを占めた。17年度は3億1700万円、18年度は8600万円、19、20年度はそれぞれ200万円と減少し、21年3月で主な助成金は終了したという。

 5年分の総額の拠出先は県内354団体に5億8千万円、県外465団体に10億6200万円。地震の発生当初は、東日本大震災などで経験を積み、避難所運営や医療ケアの専門的ノウハウがある「プロボノ」と呼ばれる県外団体の活動に大半が充てられた。その後は地域内の団体の活動も増えた。(堀江利雅)

「細く長い」活動に課題も

 熊本地震の被災地支援に対する助成金の多くは災害の発生当初、専門的ノウハウのある団体に拠出された。KVOADの集計結果からは、地元団体による「細く長い支援」につなげるための課題も浮かび上がった。

 支援団体・支援の「わ」は地震から約3カ月後の2016年7月、当初は個人ボランティアとして活動していた代表の堀内正訓さん(42)が設立した。益城町で、被災した農家やコミュニティー再生を支援した。

 「行政のボランティアセンターでは手が届かない、長期的な支援が必要」と考え、団体をつくった堀内さんだが、助成金申請は初めての経験で分からないことが多く、2年目以降は使えるメニューも減少。「継続に課題があった」という。

 現在、熊本地震の被災地では約20団体が活動。大半は県内の団体で、コミュニティー再生や災害公営住宅内での交流、地域おこしを支援している。

 これらの団体は被災地支援を後押しする助成金の終了後も、まちづくりや地域福祉、教育に役立てる既存の助成金や市町村の委託事業を活用し、被災者支援を含む活動を続けている。

 助成金について、KVOADの樋口務代表理事(60)は「被災して初めて活動を始める地元団体への周知や申請方法の講習が必要」と指摘。助成額の急激な減少については「息の長い活動を続ける地元団体をもっと支援できないか、助成元などと協議を進めたい」としている。(堀江利雅)

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