熊本地震の〝記憶〟収集、避難所の張り紙など5500点 くまもと森都心プラザ図書館

熊本日日新聞 | 2021年04月21日 14:00

くまもと森都心プラザ図書館が収集した避難所やボランティアセンターの張り紙=15日、熊本市西区
くまもと森都心プラザ図書館が収集した熊本地震関連の資料を整理したファイル

 熊本地震の記憶の風化が懸念される中、熊本市西区の「くまもと森都心プラザ図書館」は、実際に避難所で使われた張り紙など地震関連の資料を集めている。震災からの5年間に、5500点以上を収集。記憶を風化させないために活用することにしている。

 「1Fロビーの残飯は、ビニール袋に新聞紙を敷いて対応して下さい」「急募・物資の仕分け 本日、何時からでもOK」-。手書きや大きな活字で印字された張り紙からは、当時の避難所の様子が、ありありと浮かび上がる。

 熊本地震では、プラザ図書館も本棚が倒れて本が散乱した。資料収集は、図書館機能の復旧作業の中、被災から1カ月後の2016年5月に始めた。担当する迫本繭子さん(42)によると、阪神大震災や東日本大震災の被災地の図書館が、収集に取り組んでいるのを知ったことがきっかけだったという。

 市民に資料の提供を呼び掛けると、掲示物や学校の配布物、チラシ、写真などが続々と集まった。実際に使われた1次資料が中心で、現在は資料の整理や目録の作成を進めている段階だ。これまで80冊を超える分厚いファイルや8箱分の段ボール箱などに整理。通し番号を振って目録を作成。「表題」「作成者」「収集日・場所」などをパソコン入力して管理している。

 目録の一つ一つに収集の経緯なども書き込んでいることが特徴。資料に「ストーリー性」を持たせる試みで、ある手帳の目録には、被災マンションの共有スペースに置かれ、住民がそれぞれメッセージを書き込んで励まし合い、震災を乗り越えるきっかけになったと記した。迫本さんは「記憶を風化させないことにつながる」と解説する。

 昨年12月の熊本市のアンケートで、回答者の7割弱が「地震の記憶や教訓を忘れがちになっていると感じる」と回答するなど、記憶の風化が進む一方で、プラザ図書館には市民の手による震災の体験記や記録誌の寄贈も増えている。迫本さんは「地震から時間がたち、記憶を共有したいという人が増えている」と分析する。「図書館の役割として収集を続け、市民と共有していきたい」。くまもと森都心プラザ図書館TEL096(355)7401。(臼杵大介)

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