熊本地震の補助金、不正受給か 熊本市の福祉施設、理事長と夫解雇

熊本日日新聞 | 2021年04月21日 10:00

前理事長夫婦が解任・解雇された社会福祉法人の総合福祉施設。地下にある浄化槽は交換されておらず、表面は舗装されている=12日、熊本市南区

 熊本地震で被災した社会福祉施設の復旧工事で、施工していない分まで熊本市に申請して過大な補助金を不正受給したとして、熊本市南区の社会福祉法人・和創会(旧名称・はるかぜ会)が女性理事長を解任し、夫の総務部長も解雇していたことが20日、関係者への取材で分かった。

 熊本市も工事の一部未実施を確認。法人に対し、22日までに正しい工事実績の再提出を求めている。交付決定を取り消し、補助金の返還を求める可能性もある。熊本地震の復旧では、県内で多額の補助金が交付されたが、不正の疑いが表面化するのは珍しい。

 法人は昨年12月、理事や評議員を入れ替えて新理事長に熊本市の弁護士を選任。今年1月に名称も変更した。

 法人によると、被災した同市南区富合町の総合福祉施設の復旧工事を鹿児島市の建設業者と契約。2017年2月から税別5937万円の復旧工事を実施した。完了後の18年度に熊本市から、追加分も含めて対象経費の6分の5に当たる計4685万5千円の交付を受けた。

 ところが職員から「工事におかしな部分がある」との声が上がり、内部で調査。市に提出した見積書に記載された浄化槽工事1409万円のうち、本体交換など一部工事が行われていないことが判明した。少なくとも数百万円を過大に受給したとみられる。

 建設業者は前理事長夫婦が法人に紹介。法人によると、行われなかった部分の工事資金が、建設業者から前理事長夫婦側に還流されたことを疑わせる、業者による証言の録音もある。

 一方、熊日の取材にこの業者は、前理事長夫婦への資金還流は否定した。浄化槽を交換しなかったことは認め、「他で追加工事が必要になり単価も高騰した。総額の範囲内で一括で工事を請けたつもりだ」としている。

 前理事長夫婦の代理人弁護士(福岡市)は「補助金の件に理事長夫婦は一切関わっておらず、工事が発注されたことすら知らなかった」と事実関係を否定。「臆測に基づき、弁明の機会も与えられずに一方的に解任・解雇された」として、争う構えを見せている。(太路秀紀、中島忠道)

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