行定監督「傷ついた熊本、未来に伝える」 復興映画祭16日開幕

熊本日日新聞 | 2021年04月07日 11:00

「くまもと復興映画祭」への思いなどについて語る行定勲監督=3日、熊本市中央区の熊日本社

 映画の力で災害復興を後押しする「くまもと復興映画祭」の第5回が16~18日、熊本市中央区の熊本城ホールで開かれる。ディレクターを務める同市出身の映画監督・行定勲さんに、映画祭に込めた思いなどを聞いた。(聞き手・内海正樹、写真・後藤仁孝)

-コロナ禍で開催にこぎつけました。

 「まだ予断を許さない状況だが、楽しみに待ってくれているファンがいる。文化芸術に触れるのは後回しになってしまっているが、映画祭は災害で傷ついた熊本を知ってもらうために必要。感染拡大を防ぐため、混雑を避けるよう呼び掛けていく」

 -熊本地震から5年。故郷の復興をどう感じていますか。

 「復興の意味は人によって違うし、何をもって復興が終わるのか僕にも世の中にも分からない。熊本城天守閣の復旧や新阿蘇大橋の開通は喜ばしいが、ほかにまだ前に進んでいない部分もある。昨年7月の豪雨災害から日常を取り戻せていない人も多い。やるべきことが次から次にのしかかる中、新型コロナ感染拡大で足止めをくらっている」

 -今回上映する作品は、どのように選びましたか。

 「僕が見て本当に面白いものしか選んでいない。好き嫌いもあると思うが、だまされたと思って見に来てほしい。高良健吾(熊本市出身)が出演し、初日に上映する『くれなずめ』は前向きに生きるとは何かを描いていて、まさに復興映画祭に合うテーマ。映画は人生や生き方を教えてくれる」

 「戦前の傑作『丹下左膳餘話[たんげさぜんよわ] 百萬両の壷[つぼ]』と、佐野史郎さん主演の『夢みるように眠りたい』はデジタルリマスターで復元されている。昔の映画が現代の技術でよみがえることは、被災した熊本の復興とも重なる」

 -映画祭の今後の展望を教えてください。

 「熊本が苦難から立ち上がる歴史を未来に伝えていく意味で、映画祭には『復興』という言葉がずっと付き続けるのでは。期間や作品数を増やしていき、『独創的で面白いお祭り』と評価され、熊本に求心力が生まれるといい」

 ◇ゆきさだ・いさお 1968年熊本市生まれ。第二高卒。在日韓国人3世の青春を描いた「GO」(2001年)で第25回日本アカデミー賞最優秀監督賞。「世界の中心で、愛をさけぶ」「ナラタージュ」「劇場」など数々の作品を手掛けている。

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