ドイツ、首相与党と連立模索 メルツ氏、交渉本格化
【ベルリン共同】ドイツ連邦議会(下院)の総選挙から一夜明けた24日、次期政権樹立に向けた各党の駆け引きが本格化した。次期首相就任が確実視される第1党の保守、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のメルツ氏は、第3党のショルツ首相の中道左派、社会民主党(SPD)との2党連立政権を目指す考えを示した。
ショルツ首相が率いた3党連立政権は、財政や経済政策を巡る恒常的な内部対立の末、昨年11月に崩壊した。過去にも連立を組んだ経験のあるCDU・CSUとSPDによる2党連立が実現すれば、政権運営が安定し、ドイツの欧州における存在感が再び強まるとの期待感がある。
SPDのクリンクバイル党首は「政権への参加は確実ではない」と慎重な姿勢を示した。
メルツ氏は選挙前、第2党となった反移民の右派、ドイツのための選択肢(AfD)に流れる保守票を取り込むために移民政策を厳格化。SPD内ではメルツ氏への反発が根強く、政策協議が難航し、連立交渉が長期化する可能性もある。