タイ当局、中国人を大規模送還 ミャンマー詐欺拠点から保護

【バンコク共同】タイ当局は22日までに、ミャンマー東部の犯罪組織から保護された中国人の大規模送還を実行した。計約600人に上り、さらに増える見通し。ミャンマー東部では日本人を含む各国出身者が特殊詐欺に従事させられていた状況が徐々に判明してきたが、特に中国人は多く、2023年には既に中国政府が問題視していた。
中国はミャンマーの軍政と関係を維持しつつ、国境地域を管理できずに犯罪組織が拡大する状況に業を煮やして少数民族勢力による一斉攻撃を容認し、代わりに詐欺拠点対応を促したとみられる。
24年には中国当局が雲南省と国境を接するミャンマー側に断続的に入り、合同捜査で詐欺拠点の摘発に乗り出した。
今月本格化したタイ国境での外国人保護も中国の要請がきっかけ。17日には中国の劉忠義・公安省次官補がミャンマー東部を視察、20日にタイ北西部メソトで大規模送還が始まった。
タイ当局は、中国人を含め約1万人の外国人がミャンマー側に捕らわれているとみるが、全容は不明だ。