市街地でのクマ銃猟が可能に 改正法案を閣議決定

政府は21日、クマによる人的被害を防ぐため、一定の条件を満たせば自治体判断で市街地での銃猟を可能にする鳥獣保護管理法改正案を閣議決定した。人の日常生活圏に現れ、危害を及ぼす恐れが大きい動物を「危険鳥獣」と規定し、市町村長が緊急的にハンターへ委託する仕組みとする。
環境省によると、クマによる人的被害は2023年度に過去最多の219人(うち死者6人)に上った。現行の鳥獣保護管理法は住宅が集まる地域などでの銃猟は原則禁止し、人に危険が迫ってから警察官がハンターらに発砲を命じる仕組みとなっている。法改正でクマが建物内に長時間とどまるケースなどにも対応できるようになる。
改正案は危険鳥獣を政令で定めるとし、ヒグマ、ツキノワグマ、イノシシを想定。市町村長は(1)危険鳥獣が住宅地など人の日常生活圏に侵入またはその恐れがある(2)危害防止が緊急に必要(3)銃猟以外では的確かつ迅速な捕獲が困難(4)住民らに弾丸が当たる恐れがない―と判断した場合、市町村職員やハンターに「緊急銃猟」を実施させることが可能とした。