政府、老朽マンション再生策拡充 所有者の5分の4賛成で売却も
政府が通常国会への提出を予定する分譲マンション関連法の改正案概要が20日分かった。全ての所有者の多数決で決められる再生策として、新たに「建物と敷地の一括売却」「1棟リノベーション」「取り壊し」の3種類を追加し、建て替えと同じく5分の4が賛成すれば実行に移せるようにする。老朽化した物件が増加しており、再生を促すには選択肢を拡充する必要があると判断した。
現行法では建て替えに限り5分の4の賛成があれば実施できる。それ以外は原則、多数決ではなく全員の賛成が必要となっている。改正案で売却などのハードルは下がるが、個人の財産に関わる問題のため、どれだけ利用されるかは未知数だ。
追加する3種類のうち一括売却は、再開発のノウハウがある不動産業者などを相手先として想定する。1棟リノベーションは骨組みはそのままに内装から外装、設備まで丸ごと一新し生まれ変わらせる方法。取り壊しは別の用途への転用などが考えられる。
建て替えを含めた4種類とも、耐震性不足などがあれば「4分の3の賛成」に引き下げる。
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