女子医大元理事長、不要な契約か 別の建築士が業務担う
東京女子医大の新校舎建設工事を巡る背任事件で、男性1級建築士(68)が大学と結んだアドバイザー契約の業務は、実際には別の建築士らが担っていたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は、背任容疑で逮捕された元理事長岩本絹子容疑者(78)が自身に報酬を還流させるため、不要な契約を結ばせたとみて調べる。
捜査関係者によると、新校舎建設に際し男性建築士の業務実態は確認されず、別事務所の建築士や大学職員が担当していた。大学の第三者委員会が昨年8月に公表した報告書は「別の1級建築士が中心となっており、男性建築士は一部を行うにとどまっていた」と指摘していた。
岩本容疑者が主導して作成されたとみられるアドバイザー契約に関する稟議書では、男性建築士について「なくてはならない存在である」と説明していた。
岩本容疑者は、契約成立前から、報酬の3分の2を還流させることで男性建築士の了承を得ていた。報酬約1億1700万円から税金を差し引いた額のうち、約3700万円を側近を通じて現金で受け取った。
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