【独自】熊本空港に初の「北米路線」か カナダの空港運営会社が熊本県に開設打診 TSMC進出に着目
カナダ西部アルバータ州にあるエドモントン国際空港を運営する公団が、熊本空港(益城町)と結ぶ航空路線の開設を熊本県に打診していることが7日、分かった。県側も前向きに受け止めており、実現すればアジア路線のみだった熊本空港で初の北米路線になる。
複数の関係者によると、打診しているのは空港名と同名の公団。まずはチャーター便を運航する方針で、需要と採算性を見極める。交渉が順調に進めば、菊陽町の台湾積体電路製造(TSMC)の第2工場が稼働する2027年ごろの定期便就航を念頭に置いているもようだ。
日本への路線開設を模索する公団は、TSMCが日本初の生産拠点として熊本を選んだことに着目した。幹部が23年10月に蒲島郁夫前知事、24年8月に木村敬知事を訪問し、将来の定期便化に向けて連携することを確認。交渉を担うアドバイザーが今月中に熊本を再訪する調整も進んでいるという。
日本国内で北米と結ぶ国際線の定期便がある空港は少ない。主要8空港でも成田、羽田、関西だけで、新千歳、中部、伊丹、福岡、那覇にはない。
エドモントン国際空港は年間利用者が約820万人とカナダで5番目に多い。24年12月時点で、カナダのバンクーバーやトロントをはじめ、米国のシアトルやサンフランシスコ、オランダのアムステルダムといった7カ国52都市へ直行便が運航している。
エドモントン国際空港は周辺に再生可能エネルギー関連を中心に食品や製造といった産業が集積する。県は熊本空港を核に産業を活性化させる「新大空港構想」の一環で一帯の「再エネタウン」化に取り組んでいる。県は公団との相互交流で、空港を柱にしたまちづくりの先行地の知見を得られるメリットもある。
県幹部の一人は「北米便が就航すれば、ビジネスや観光面における熊本の可能性が高まる。チャーター便や定期便の実現に向けて、カナダ側に熊本の魅力を発信していきたい」と話している。(樋口琢郎、嶋田昇平)
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