熊本空港から定期旅客便で初輸出 台湾へ球磨焼酎 県産品の販路拡大に期待

熊本日日新聞 2024年11月8日 20:27
球磨焼酎を載せたコンテナが積み込まれる台湾行きの航空機=8日、益城町
球磨焼酎を載せたコンテナが積み込まれる台湾行きの航空機=8日、益城町

 熊本空港から台湾・台北への定期旅客便を使った国際航空貨物の輸出が8日、初めて実現した。台湾のチャイナエアライン(中華航空)による輸送サービスが可能になったため。積み荷は球磨焼酎。熊本県は、県外から台湾に空輸している県産品について、熊本空港の利用を促していく。

 この日は球磨焼酎卸売りの「鳥越商店」(人吉市)が4銘柄計120本を輸出した。15日から現地で開かれる「台北国際酒展」で扱う。電子通関システムの手続きを経て、商品を載せたコンテナが航空機の貨物スペースに積み込まれた。

 鳥越商店の鳥越英夫代表社員は「県外に運んで空輸するコストや時間が減らせる」、球磨焼酎酒造組合の深野誠一理事長は「台湾のファン獲得につなげたい」と期待した。

球磨焼酎の貨物を積み込んだ台湾行きのチャイナエアライン機の前で写真に納まる関係者=8日、益城町
球磨焼酎の貨物を積み込んだ台湾行きのチャイナエアライン機の前で写真に納まる関係者=8日、益城町

 チャイナエアは昨年からチャーター便による輸出を試行してきたが、定期便は初めて。これからは荷主の注文に応じて空輸する。

 県交通政策課は今後、熊本空港と定期路線を持つ韓国や香港の航空会社とも協議し、台湾以外にも空輸サービスを図る考え。

 一方、熊本空港では国際航空貨物を扱うスペースが手狭なままだ。台湾積体電路製造(TSMC)の進出で、国際貨物の需要増加も見込まれる。熊本空港を運営する熊本国際空港(益城町)は本年度、貨物の通関手続きや一時保管、荷さばきをする設備「保税上屋」の整備を目指している。(立石真一)

貨物コンテナに球磨焼酎入りの箱を載せるスタッフ=8日、益城町
貨物コンテナに球磨焼酎入りの箱を載せるスタッフ=8日、益城町

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