熊本空港から定期旅客便で初輸出 台湾へ球磨焼酎 県産品の販路拡大に期待
熊本空港から台湾・台北への定期旅客便を使った国際航空貨物の輸出が8日、初めて実現した。台湾のチャイナエアライン(中華航空)による輸送サービスが可能になったため。積み荷は球磨焼酎。熊本県は、県外から台湾に空輸している県産品について、熊本空港の利用を促していく。
この日は球磨焼酎卸売りの「鳥越商店」(人吉市)が4銘柄計120本を輸出した。15日から現地で開かれる「台北国際酒展」で扱う。電子通関システムの手続きを経て、商品を載せたコンテナが航空機の貨物スペースに積み込まれた。
鳥越商店の鳥越英夫代表社員は「県外に運んで空輸するコストや時間が減らせる」、球磨焼酎酒造組合の深野誠一理事長は「台湾のファン獲得につなげたい」と期待した。
チャイナエアは昨年からチャーター便による輸出を試行してきたが、定期便は初めて。これからは荷主の注文に応じて空輸する。
県交通政策課は今後、熊本空港と定期路線を持つ韓国や香港の航空会社とも協議し、台湾以外にも空輸サービスを図る考え。
一方、熊本空港では国際航空貨物を扱うスペースが手狭なままだ。台湾積体電路製造(TSMC)の進出で、国際貨物の需要増加も見込まれる。熊本空港を運営する熊本国際空港(益城町)は本年度、貨物の通関手続きや一時保管、荷さばきをする設備「保税上屋」の整備を目指している。(立石真一)
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