熊本県産の農林水産物、輸出額が過去最高 23年度122億円 県目標額を達成
熊本県は22日、2023年度の県産農林水産物の輸出額が前年度比16%増の122億4千万円となり、11年連続で過去最高を更新したと発表した。県が掲げていた目標額110億円を達成。アジアを中心とした日本産食品の人気を背景に、イチゴや牛肉といった農畜産物が大きく伸びた。
分野別では、農畜産物が22%増の54億2千万円となり、初めて50億円を突破。イチゴは農林水産省の支援事業を活用し、輸出先の農薬規制への対応などを進めたことが奏功し、台湾向けが4・4倍に増えた。輸出額の半分を占める牛肉は台湾や香港で好調だった。
次いで林産物は17%増の39億円。丸太の需要が高い中国でニュージーランド産から日本産に切り替える動きがあり、金額を押し上げた。
水産物は5%増の29億2千万円。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に反発した中国による日本産水産物の輸入停止措置で23年9月以降の輸出がゼロとなり、中国向けは18・8%減だった。
県水産振興課は「23年8月までは中国向けが好調だったため、輸入停止で県内事業者らへの影響も出た。現状では北米などに販路を確保しており、在庫が積み上がるといった状況は解消されている」とした。
県は25年度策定する総合戦略で新たな輸出額の目標値を設定する。22日の定例記者会見で木村敬知事は「さらに県産品の輸出拡大を支援する。台湾積体電路製造(TSMC)の進出で台湾との物流が活発になっており、その流れにも乗りたい」と述べた。
輸出額は、県が把握している主要な事業者や団体への聞き取りなどを基に独自集計した。(馬場正広)
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