違法看板、困ってます!! 熊本市・下通アーケード 歩道ふさぎ、占用料未納も 繁栄会「厳しく取り締まりを」
熊本市中央区の下通アーケード一帯で、違法な立て看板や市の基準を超えた大きさのビルの看板が目立っている。歩道をふさいだり、所有者が占用料を納めなかったりする事例もあり、改善されない状態が長く続いている。商店街関係者は「皆がルールを守るよう、厳しく取り締まってほしい」と市や熊本県警に要望している。
9月下旬の夜、商店主や市職員、熊本中央署員ら25人が、下通アーケード周辺を巡回した。アーケード内や、周りの市道に置いている立て看板を見つけると、設置者に撤去するよう指導した。
■いたちごっこ
立て看板のような工作物を道路に置くことは道路交通法で禁じられているが、下通周辺の市道では、立て看板が散見される。多くは市道沿いのビルに入る飲食店の看板。午後6時ごろから増え、朝までには店によって片付けられる。
下通アーケードで宝飾店を営む高栁隆大さん(51)は、店舗横の市道に看板を置く飲食店に何度か撤去を求めたが、「つぶれてもいいのか」と激高されることもあったという。市や県警が指導すると一時的に少なくなるが、しばらくすると元通りとなる状態が続いている。
アーケード内は、周辺の市道を管轄する市中央区土木センターの許可ステッカーがない無許可看板は、商店主らでつくる下通繁栄会が移動できる。一方、私有財産に当たる看板が公道にある場合は、市などによる指導しか手がない状況だ。立て看板の多くが歩道をふさいでおり、看板をよけた歩行者が車と接触する恐れもある。会は「歩行者の安全を考えると対策が必要だ」と訴える。
土木センターは「店舗の入れ替わりもあり、いたちごっこの状態が続いている。粘り強く指導を続けるしかない」と話す。
■不公平
ビル側面の「突き出し看板」も問題を抱えている。歩道にかかる場合、市の条例では地上から高さ2・5メートル以上に設置し、幅は1メートル以内と規定する。大半の看板は基準内だが、違反するものもある。県広告美術協同組合の川口耕司理事長(55)は「アーケードの両脇にある柱よりも目立つよう、大きな看板を出す店がある」と話す。
無許可で看板を出す所有者の中には、表示面積などを基に算出される占用料を、市に納めないケースも見受けられ、ほかの商店主から「不公平だ」との声が上がる。特に近年は地価上昇とともに占用料も値上がりしており、看板設置の許可を出す市に対して対応を求める声が高まっている。
市や県警による定期的な指導でも改善の兆しが見えない街中の看板問題。下通繁栄会の猪毛尾彰宏会長(67)は「さらに厳しい対応が必要」とし、店舗利用者にも「看板で過剰にアピールする店ではなく、ルールを守る店を選んで」と呼びかけている。(米本充宏)
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