菊陽町の新たな工業団地整備、町長「企業集積の受け皿に」 TSMC第1工場南側に計画、地権者に理解求める
熊本県菊陽町の吉本孝寿町長は11日夜、町が台湾積体電路製造(TSMC)の第1工場南側で新たな工業団地整備に向けた調査に入るのを前に、約40人の地権者に理解と協力を呼びかけた。県道大津植木線を挟んだ農地など約25ヘクタールの地権者は約100人いて、足を運べなかった人らを対象に12日も説明会を開く。
この日の町防災センターでの説明会は冒頭のみ、報道陣に公開した。吉本町長は「インフラ整備が異次元のスピードで進み、環境は大きく変化している」と指摘。工業団地整備のメリットについては「新たな企業集積や投資の受け皿となり、町に多大な経済効果を及ぼす」と述べた。
非公開後のやりとりについて、取材に答えた参加者は「土地の管理状況調査や地権者向けアンケートに取り組むと説明を受けた。民間に売却しないでほしい、ともお願いされた」と話した。県が誘致を目指すTSMCの第3工場を含め、町長らは進出企業の具体名に言及しなかったという。
終了後、吉本町長は取材に「反対の声はなかった。今後のスケジュールをしっかりと提示し、地権者の安心につなげたい」と語った。町は住民向けの説明会も10月上旬に開く。
今回の土地は2020年度に策定した町の都市計画マスタープランで「守るべき農地ゾーン」となっている。25年3月までに工業団地に適するかどうかを見極める。結果は見直し作業に入っているプランに反映させる。(草野太一)
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