魚と野菜の同時育成に挑戦 苓北町の天草拓心高「アクアポニックス」研究 水槽とプランター連結、環境に配慮
天草拓心高マリン校舎(苓北町)のアクアサイエンス部の生徒が本年度から、淡水魚と野菜を同時に育てる「アクアポニックス」の研究を始めた。水槽のチョウザメと、水耕栽培のミニトマトの育成を両立させる試み。熊本県科学研究物展示会(科学展)での上位入賞を目指している。
アクアポニックスは、水槽と水耕栽培を配管でつなぎ、魚のふんや食べ残しを肥料の素として野菜に吸収させて、浄化した水を魚の水槽に戻すシステム。環境に優しく、生産コストの低減に役立つとされる。
5月に始めた研究では、チョウザメ15匹を飼う1・5トンの水槽のろ過装置を軽石などを使って手作りし、ミニトマトの苗4本を育てるプランターと連結。チョウザメの飼育は初めてだったため、生育に適した水質を保つろ過装置のフィルター調整に苦労したという。
試行錯誤の結果、当初は2~3日に1回必要だった水槽の水替えを、1~2週間に1回ほどまで低減することができた。ミニトマトは、根が腐らないように水槽からの流入量を調整するなどしたところ、今では当初の5倍ほどまで背丈が伸びた。
3年の副部長の男子生徒は「生態系のようなシステムで、環境に配慮した養殖モデルになると思う。まずはトマトが実をつけるのが第一の目標」。2年の男子生徒は「初めての研究で分からないことばかりだが、養殖や栽培の大変さを知った」と話す。
将来的には、卵からふ化した稚魚を育てて卵を産ませる完全養殖を目指すという。アクアポニックスは、10月12日に同校であるマリン祭で展示する。(鬼束実里)
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