高齢者向けeスポゲーム開発中 高森町の小6~高3の5人 子ども議会で提案、町が予算確保し後押し
高森町の小学6年~高校3年の5人が、高齢者向けeスポーツゲームの開発を進めている。昨秋の町子ども議会で中学生による提案をきっかけに、町は予算を確保したり、製作講座を開いたりして後押し。町教育委員会は「自分たちの力で課題を解決してほしい」と期待している。
高齢者向けeスポーツは主にボタンを押したり、マウスを操作したりするだけで遊べる。町は、公民館で開く介護予防拠点「通いの場」の利用者向けに機材を貸し出すが、民間団体から借りる機材は1セット10万円の初期費用と、月額3万3千円が必要。高額なため、町が借りているのは現在2セットのみ。
そうした中、昨年11月の子ども議会で当時中学3年の〝議員〟が高齢者と子どもの交流を課題に挙げ、「全公民館にeスポーツ機器を設置してはどうか」と提案。草村大成町長は「プログラミング教育を受けている皆さんの手で、ぜひ開発してほしい」と応じ、ゲーム製作が動き出した。
町は2012年度から小中学校教育に情報通信技術(ICT)を導入。児童・生徒はコンピューターに動作を指示するプログラミングを学習しており、町教委がゲーム製作を呼びかけたところ5人が応じた。町は本年度、「『夢』応援プロジェクト」と銘打ち、予算146万円を確保。5人はオンラインでの講習を経て、それぞれ夏からゲームを作っている。
高森高1年の男子生徒は、パソコン画面上に表示される宝石を素早くクリックして点数を競う「タップジュエリー」を考案。プログラミングソフト「スクラッチ」を使い、6~7時間没頭した日もあるという。「お年寄りが使いやすいよう、画面をタッチして遊べるように改良を重ねたい。楽しんでほしい」。2作目の製作も始めた。
町は11月、5人が製作したゲームの体験会を企画しており、その後に「通いの場」などに提供したい考え。町は「子どもの提案が大人を動かした。自分たちで成し遂げる良い経験になり、大きく成長する機会にしてほしい」と見守っている。(中島忠道)
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