老後資金の柱となる公的年金 現役世代が支える「保険」 加入種別変わる人生の転機には注意を【まね得 年金制度・前編】
多くの人が老後に対する不安の声を口にします。老後の頼りと言えば、やはり年金です。今回は公的保険アドバイザー協会(東京)の協力を得て、公的年金制度について紹介します。(太路秀紀)
年金制度① 44%が公的年金のみで生活
熊日ID会員へのアンケートで、新NISAの次に興味があるテーマに選ばれたのが「老後資金」と「年金」でした。年金については「少子化が進んで支える側が減れば、年金制度も破綻するのでは」(熊本市、50代女性)などの声も寄せられました。不安があるということでしょう。今回からしばらく公的年金制度を取り上げます。
まず、公的年金が現在の高齢者の暮らしをどの程度支えているか見ておきましょう。
厚生労働省が毎年実施している国民生活基礎調査の最新版(2022年)によると、年金をもらっている65歳以上の高齢者世帯の44.0%が公的年金・恩給のみで生活しています。収入の8割以上を公的年金に頼る世帯だと60.5%に増えます。
高齢者世帯の年間の平均収入は318万3000円ですが、うち公的年金が199万9000円と62.8%を占めています。現状で老後資金の柱は、やはり公的年金なのだと分かります。
年金問題は政党間の政争の具にされてきた部分もあります。連載ではできるだけ公平に紹介し、正しい理解と冷静な議論につなげたいと思います。(公的保険アドバイザー協会監修)
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