医療データ活用し、産業創出や学術研究 熊本県や県医師会 10万人分を匿名加工 創薬や健康づくりサービスに 2024年度にも

熊本日日新聞 | 2023年5月25日 20:35

県と県医師会、熊本大病院が医療データの利活用法を検討した連携会議=24日、熊本市中央区

 熊本県は24日、患者の医療情報を県内の医療機関や介護施設が共有するシステム「くまもとメディカルネットワーク」の医療データの利活用に向けた第1回連携会議を開いた。蓄積が進む同ネットワークの医療データを研究機関などに提供し、新産業の創出や学術研究に生かす体制を構築する。

 同ネットワークは県医師会が2015年から運用。病歴や薬の処方歴、検査データ画像などを、患者の同意が得られた施設間で共有するシステムで、現在約10万人分の登録データがある。県は、このデータを匿名に加工し、研究機関や民間企業など第三者に提供する方針。

 初会合は熊本市中央区の熊本大病院であり、県と県医師会、同病院などの関係者約30人が出席した。県の担当者が、データを新薬や健康食品開発のほか、運動・食事療法などの健康づくり関連の新サービスにつなげる構想を説明した。

 またネットワークのデータを閲覧し、救急現場や災害時に患者の病歴を確認できる仕組みも検討する。会議は8月まで計4回開き、セキュリティー面やコスト負担などの課題を議論。早ければ24年度の運用開始を目指す。(志賀茉里耶)

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