人気集めるオンライン体操教室 熊本市・北部公民館 講師1人で6会場指導

熊本市北区の西里小、川上小、北部東小校区で高齢者を対象にしたオンライン体操教室が人気を集めている。北部公民館が主催事業として、新型コロナウイルス禍の2021年10月に同館で始め、現在は6カ所に拡大。計約80人が月2回、筋力トレーニングなどに励む。受講者からは自宅そばの会場に「歩いて参加できる」と好評で、講師が1人で済む利点もある。

昨年12月13日、北部公民館に60~90代の26人が集まった。ストレッチや筋トレ、テニスボールを使ったお手玉などで1時間ほど体を動かした。一方、健康運動指導士の中嶋朋子さん(55)はスクリーン越しに動きの手本を披露。さらにパソコンの分割画面で各会場の様子を見ながら、「きつい人は座ってしましょう」と声かけをした。中嶋さんは「体の動きが画面で分かりやすいようにカメラの角度など工夫している。複数の会場を同時にできるのがいい」と説明する。
教室は住民同士の交流や健康寿命を延ばすことを目的にしており、受講者の利用は無料。講師は菊南病院と熊本機能病院(いずれも北区)の健康運動指導士が交代で担う。毎回異なる会場で指導し、残る5カ所とオンラインでつなぐ。
受講者の女性(81)は「外出のきっかけになっている。地域に知り合いも増えた」と喜ぶ。受講者のおよそ半数が80代。「歩いて通いたい」「地域に集いの場がほしい」との要望も多い。
意見に応え、北部公民館と共催する「熊本市高齢者支援センターささえりあ北部」が会場を探し、特別養護老人ホームや民間のクリニックなどを新たな拠点として、地元の民生委員などが運営を支えている。ささえりあ北部の担当者は「(コロナ禍前に)対面で教室をしていた頃に比べて、講師やスタッフの負担は減った」と話す。
ささえりあ北部によると、市内に公民館が主催する同様の教室はないという。3小学校区は急な坂道が多い。徒歩で通うには距離があるところもあり、今後も会場を増やす方針だ。(石井颯悟)
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