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熊本地震から7年 復興進む熊本城の今
熊本地震で被災した特別史跡・熊本城跡は、国重要文化財13棟が全て被災し、石垣の約3割に当たる約2万3600平方メートルに被害が出た。2021年に復旧第1号となる長塀(国重文)や「復興のシンボル」と位置付けた天守閣が修復を終え、昨年11月には7年ぶりに有料区域の入園者が100万人を突破した。今後は宇土櫓[やぐら](同)の大規模解体修理も本格化する。一方、熊本市は昨年、熊本城復旧基本計画を見直し、工期を15年延長すると発表。全ての工事を終えるのは52年度になる見込みで、復旧完了までの道のりは長い。熊本城の「今」を伝える。(鬼束実里、前田晃志)
<宇土櫓>大規模解体修理が本格化
築城時の姿を残す唯一の多層櫓[やぐら]である宇土櫓は、昭和2(1927)年以来の大規模解体修理となる。復旧工事のために櫓全体を覆う高さ約46メートルの素屋根が完成すれば、10年近く姿が見えなくなる。
高さ19メートルの宇土櫓は慶長年間(1596~1615年)の創建とされ、3層5階・地下1階。スケールの大きさから、復元された大天守と小天守に続いて「第三の天守」とも呼ばれる。加藤清正が現在の熊本城を築く前に造った「古城」時代の天守という説や、宇土城が移築されたなど諸説あり、いまだ多くの謎に包まれている。
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