「タイツOK、レギンスはダメ」 なぜ? 小学校独自ルール 保護者に戸惑い 

熊本日日新聞 | 2021年02月05日 11:00

標準服のスカートなどの下にはくタイツ(左)と、一部の小学校では着用が認められていないレギンス

 「タイツはいいが、レギンスはダメ」。熊本県内の一部小学校に、標準服の下に身に着ける防寒衣類の種類を限定するルールがあるという。腰元からつま先まで一体化したタイツと、くるぶしやすねまでの長さのレギンスに靴下をはけば、防寒機能に大きな違いはないようにも思えるが…。取材すると、防寒とファッションのはざまで揺れる教育現場の実情も見えてきた。
 
 「レギンスがダメな理由を娘に説明できないことがもどかしい」。熊本市の小学校に低学年の娘が通う母親は、熊日の「SNSこちら編集局」(S編)に疑問を寄せた。学校からのプリントに防寒用としてレギンスは着用できないと書いてあった。娘はタイツは脱ぎにくく、はき心地が悪いからと言って、はきたがらないという。
 
 S編にはほかにも、「タイツは雨でつま先がぬれたらすべて脱がないといけない」「レギンスなら靴下だけ替えればいいが、タイツは毎回洗濯が必要で乾きにくい」などの声が複数届いている。
 
 これを受けて、県内の13小学校に取材すると、私服の3校は特に規定はなく、標準服の10校のうち明確に「着用できない」としていたのは1校のみ。ただほかにも「寒い時の服装はタイツ等」「(標準服の下にはくのは)スカートの長さより長くならない」などの目安を設けている学校が複数あり、児童や保護者らに「レギンス禁止」と受け止められているようだ。
 
 近代服装史に詳しいヒロ・デザイン専門学校(熊本市)の原賀友子講師によると、レギンスは、ダンス用などのスパッツが街着となり、2000年代からファッション用語として登場したという。原賀さんは「着こなし方でおしゃれにも使えるが、保温性も格段に向上しており、防寒用かどうかの線引きは難しくなっている」と言う。
 
 こうしたファッションの流行もあり、禁止していた小学校は「レギンスは『おしゃれ着』という認識があり、以前の規定がそのままになっていた」と説明。ただ防寒機能を考慮し、「今後、見直しを検討する」とした。
 
 県南の小学校は禁止はしていないが、「丈が短いレギンスは肌が一部露出してしまい、防寒用としてそぐわないのでは」と迷いをみせる。
 
 一方、熊本市の別の小学校は「体育でタイツを脱ぐ際、靴下を忘れる子どもがいる」「レギンスの方が脱ぎ着しやすい」などの意見が教職員から上がり、昨秋からレギンスを認めたという。
 
 児童生徒の服装規定が生まれた経緯には、それぞれの学校で違いもあり、意義も時代によって変わる。同市のベテラン教諭は「大切なのは、教師が子どもたちに納得できる理由をしっかりと説明できるかどうかだ」と指摘した。(原大祐)

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