
来春の野焼きに備えて草原の一部を刈り込み、防火帯を作る「輪地切り」が阿蘇地域で始まった。30日は高森町の蔵地牧野であり、ボランティアらは機械を手に汗を流した。
輪地切りは、野焼きで山林への延焼を防ぐ役割がある。阿蘇全域で総延長約530キロあり、そのうち人力で刈るのは350キロほど。作業は12月まで続く。
この日、蔵地牧野では牧野組合員2人と公益財団法人阿蘇グリーンストックが派遣したボランティア8人が作業。刈り払い機のエンジン音を響かせながら、防火帯が幅5~7メートルになるように生い茂った草を刈り取った。
熊本市北区の会社員、立石誠信さん(59)は「今年は豪雨災害もあり、県南からの参加は難しいはず。来春の野焼きまで、できる限り支援したい」。同牧野の草村秀士組合長(61)は「畜産農家の減少と高齢化で人手が足りない。草原を守るためにもボランティアの参加はありがたい」と話した。
財団によると、当初は新型コロナウイルス禍でボランティアの募集を県内に限定していたが、今後は県外からの参加も募る。(上杉勇太)