「奇跡の集落」経験伝える防災キャンプ 熊本地震で被害甚大だった西原村大切畑地区

熊本日日新聞 | 2022年11月8日 06:05

山から切り出した竹の飯ごうでご飯を炊く防災キャンプの参加者と住民たち=西原村

 2016年の熊本地震で甚大な被害が出た西原村の大切畑地区で5、6の両日、防災をテーマにしたキャンプ「ニシハラ・サバイブ」が開催された。建物の約9割が全壊しながら、全員を救出した「奇跡の集落」の経験を伝えようと、区長の西本豊さん(67)や村地域おこし協力隊員の佐々木わかばさん(26)が中心となって企画した。

 熊本地震で同地区は、多くの住民が崩壊した家屋に閉じ込められたが、消防団などの救助活動で奇跡的に死者ゼロだった。住民がそれぞれの専門を生かして水道や道路の復旧をいち早く進めたことでも知られる。

 キャンプには県内外から9人が参加。山中から水をポリタンクで運び、自作した竹製の飯ごうで夕食を炊いた。福岡県小郡市社会福祉協議会の高木麻衣さん(31)は「料理には多くの水を使うと実感した。震災の時は大変だっただろう」と思いをはせた。

 日没後は住民とたき火を囲み、持参したテントや車内で一夜を過ごした。同県東峰村社協の中島望さん(31)は「普段の住民同士のつながりや防災意識の高さが、震災時に力を発揮したと分かった」と話した。

 同地区では宅地が復旧したものの、住民は半数ほどが集落に戻らず、空き地も目立つ。西本区長は「地震の教訓を語り継ぐ活動を通して移住者にも期待したい」と話した。(中村美弥子)

空き地でたき火を囲み、被災体験などを語り合う住民とキャンプ参加者たち=西原村

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