江津湖を覆う、ちぎれた葉…雑種「コウガイセキショウモ」か ボート競技に支障、生態系に影響も

熊本日日新聞 | 2022年8月11日 19:51

江津湖を覆うちぎれた葉(手前)。コウガイセキショウモの可能性があるという。奧はウオーターレタス=熊本市東区

 熊本市東区の江津湖で絶滅危惧種のヒラモに似た植物が大量繁茂しているとの情報が、江津湖でボート競技に携わる男性から「SNSこちら編集局」(S編)に寄せられた。現場に足を運ぶと、ちぎれた葉で湖面が覆い尽くされており競技にも支障を来していた。

 江津湖では5年ほど前まで外来植物のオオカナダモが繁茂していた。在来種のヒラモやササバモなどの生育に打撃を与えていたものの、原因が分からないまま急速に減少。男性によると、ここ2年ほどでヒラモに類似した植物が目立つようになったという。

 大量繁茂している植物について、熊本博物館の山口瑞貴学芸員(34)は「葉の形や大きさ、色など形状がヒラモそっくりのコウガイセキショウモの可能性がある」と指摘する。ヒラモは熊本県の固有種で江津湖周辺と益城町の藻川水路に群生しているが、コウガイセキショウモは雑種で江津湖には元来生息しておらず、近年見られるようになったという。

 江津湖は、高校や大学のボート競技の貴重な練習場所だが、湖面には切れた葉が大量に浮遊している。熊本学園大付属高ボート部の内藤竜一監督(46)は「葉がオールに巻き付くだけでなく、ボートを湖面に出すことすら難しい日もある。湖底のヘドロを巻き付けた葉が岸に滞留するので悪臭がすごく、虫の発生も多い」と顔をしかめる。

 市は毎年、年間290日間にわたって外来植物や滞留した水草計約1500トンを除去しているが、追いついてない状況。担当する市東区土木センターは「ボート競技に支障が出ないよう現場と調整しながら除去しているが、なかなか根絶には至らない」という。

 山口学芸員は「ヒラモよりも繁殖力が強い可能性もあり、生態系のバランスが崩れかねない。コウガイセキショウモと確定したら、適切な対策を取り、速やかに除去した方がいい」と強調する。(樋口琢郎)

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