2年縛り違約金 禁止では? スマホ乗り換えで4万円超の解除料 事業者「相対契約」の落とし穴

熊本日日新聞 | 2022年7月27日 08:55

男性が携帯会社乗り換えの際に提示された書類の一部。「契約解除料」として1回線あたり2万2千円が必要と書かれている

 個人事業主として工務店を営む熊本県上天草市の男性(65)が「SNSこちら編集局」(S編)に「仕事で使っている携帯会社を乗り換えようとしたら、高額な契約解除料が発生した」との声を寄せた。携帯ショップで男性が渡された資料には「契約解除料」として2回線で4万4千円が必要と書かれていた。携帯乗り換え時の高額な違約金って、たしか禁止されたのでは…。

 携帯電話やスマートフォンのいわゆる「2年縛り」の違約金は、2019年10月の改正電気通信事業法の施行に合わせて「千円以下」にする規制が導入された。その後の総務省の要請を受け、携帯大手のNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクは今年4月までに、改正法の施行前に結ばれた契約も含めて全ての違約金を撤廃している。

 ただ、これは一般向けの話。事業者同士の契約の場合は、少し事情が異なる。

 総務省によると、事業者同士の契約でも、多数との契約を前提とした「約款[やっかん]」に基づく契約は一般向けと同じく規制される。しかし、事業者同士が個別に結ぶ「相対[あいたい]契約」は、規制の対象外という。

 男性が解除しようとしたソフトバンクとの契約は、法人間で個別に結ぶ「相対契約」だった。ソフトバンク広報によると契約解除料は個別に設定しており、金額の算出方法など詳細は「公表できない」とした。

 取材の結果を聞いた男性は「契約時は『月々の料金が安くなります』としか言われず、十分な説明がなかったと思う」と訴えた。

 こうした相対契約は多いのか。携帯大手3社に聞いたが、いずれも件数などは「非公表」。

 県弁護士会の中小企業法律支援センター委員会の東健一郎弁護士(45)は「個人事業主など小規模経営の場合、消費者と事業者の感覚が混在しやすいので注意が必要だ」と指摘する。一般消費者の契約を保護する法律はあるが、事業者の場合はほとんどなく、「提示された書類にきちんと目を通すなど情報リテラシーを高めてほしい」とした。

 日本弁護士連合会などは中小企業向けに相談窓口「ひまわりほっとダイヤル」を運営している。初回の30分は相談無料。☎0570(001)240。(岡本遼)

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