全国で6万円も違う受講料 ケアマネ資格 山形8万円弱、島根2万円、熊本は?

熊本日日新聞 | 2022年7月15日 07:00

ケアマネジャーの分厚い実務研修テキストを眺める女性。受講者の費用負担は全国で大きく異なる

 介護現場で働くケアマネジャー(介護支援専門員)の公的資格を取得するために法律で義務付けられた研修の受講料が、都道府県によって最大で4倍近く違うことが分かった。最も高い山形県では約8万円で、最も安い島根県とは6万円近い開きがある。熊本県も全国で8番目に高額だ。同じ資格を取得するために大きな地域差が生じており、県内のケアマネジャーから改善を求める声が上がる。

 ケアマネジャーの法定研修は介護保険法に基づき都道府県知事が実施する。資格取得に必要な実務研修のほか、5年に1度の更新研修がある。

 厚生労働省によると、2020年度の実務研修の受講料(資料代含む)は、最も高かった山形県で7万9950円。最も安かった島根県は2万800円だった。熊本県も6万7800円で、全国平均の5万7017円を1万円余り上回っていた。

 更新研修(初回)の受講料も、最も高い愛知県は7万120円で、最も安い山梨県の2万円とは5万円超の差があった。熊本県は新型コロナの影響で20年度は実施しておらず、21年度は4万7千円だった。

 熊本県北在住の50代の女性ケアマネジャーは熊日の「SNSこちら編集局」(S編)に「同じ法定研修なのに、なぜこんなに金額に差が生じるのか。内容もそこまで変わらないはずだ」と疑問の声を寄せた。

 これに対し、昨年度まで熊本県の実務研修の実施機関だった県社会福祉協議会は「受講料は県と協議して決めていた。講師への謝礼や会場代、オンライン配信のための機材リース代などの経費だった」と回答。ケアマネジャーでつくる県介護支援専門員協会は「地域の実情を踏まえた研修を受けることで、ケアマネの質の確保や利用者に寄り添ったケアプラン作成につながる」と主張した。

 受講料が安い島根県などでは、国と都道府県で積み立てる「地域医療介護総合確保基金」を活用して負担軽減を図っている。厚労省は今年3月、基金を活用して受講者の負担軽減を図るよう都道府県に通知した。

 熊本県ではケアマネジャーの法定研修に基金は使っていない。県認知症対策・地域ケア推進課は「基金は介護・福祉施設のコロナ対策など別の施策に充てている」と説明。今後の法定研修についてはオンラインの活用などで「研修の効率化や他県との統一によって負担軽減につなげていけば良いと考えている」とした。

 熊本県内では毎年100~200人がケアマネジャーの資格を取得し、約5700人が働いている。研修費用を個人ではなく事業所が負担する介護施設もあるが、施設の福利厚生や雇用形態によって違う。

 S編に声を寄せた女性ケアマネジャーは「全国一律が難しいのなら、せめて受講者に対して、講師代にいくらかかったのかなど法定研修の詳細を明らかにしてほしい」と訴える。(立石真一)

 ◆ケアマネジャーの研修 ケアマネジャーの資格は各都道府県が年一回実施する試験に合格し、87時間の実務研修を受講・修了すれば取得できる。都道府県から交付される専門員証の有効期間は5年で、更新にも初回88時間、2回目以降は32時間の研修が必要となる。

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